【書評】SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術
ろぽんでございます。
ブレイク・スナイダー著作の米アマゾン脚本術部門で売上No.1のベストセラー本です。
ベストセラーコードの解説において、紹介されていた書籍でもあり、その流れで今回、読了した一冊になります。
徹頭徹尾、ハリウッドで売れる脚本を書くために必要なエッセンスが書かれている本です。
文章は軽快で、読者に語り掛けるウイットに富んだ口語体なのですが、その伝えようとしている内容は、多くの映画視聴者にいかに届けられる脚本作りになっているかに注力されています。
実際の脚本術も簡潔で分かりやすく、実践して取り組みやすい内容になっています。
・ログラインが明確である事。
・そのログラインはどんな映画に似ているか。
・ログラインを膨らまし、ストーリーの主人公は誰かを決める。
・行動力ある主人公である事。
・あくまでもログラインを守る。
・映画構成にあてはめ、プロットを書く。
・ボードを用いて視覚化する。
・脚本を動かす黄金ルールにあてはめる。
・日にちを寝かせての、脚本の悪い点をプロの視点から添削。
私なりにまとめるとこんなところでしょうか。
書名のSAVE THE CATの法則の説明は本書に譲るとして、この書籍を読んで為になったのは『ログライン』です。
ログラインとは「一言でいうとどんな映画?」という事です。
週末の楽しみに雇ってしまったコールガールに、ビジネスマンは本気で恋をしてしまう。
――『プリティ・ウーマン』(90)
このログラインには「皮肉」という名のつかみが含まれており、この一言よりイメージが広がります。この二人の関係性の続きが読みたくなる内容ですよね。主人公も明確で分かりやすく、感情移入もしやすそうです。
共感と想像力の働く余地のある一文、これがいいログラインという事になります。
また、脚本の第一稿を書き終えた際に、このログラインに集約できない状態になっていると、まずい状況であり、そうした事は往々に起こりえる事です。
本書ではプロの脚本家として、最終的にどの様にチェックするかという事についても触れられているので、為になります。
正しいログラインに集約される為には構成が大事になってきます。
集約と拡散ですね。
本書ではこの構成も重要なファクターとして、しっかりとした文量を割かれています。黄金ルールの組み立て方なんかも、著者のキャリアから導き出された好例なので、一読の価値ありです。
最後に、脚本家になりたい人だけでなく、物語に従じする方々には一冊手元に置いておいて損のない一冊になっていますので、機会があれば、是非読んでみて下さい。