【書評】ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム~AI活用~
ろぽんでございます。
昨日の記事で触れたベストセラーコードの書評となります。
『ダ・ヴィンチ・コード』、『ミレニアム』シリーズ、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』などのベストセラーの黄金の法則をAIによって探っていく、ジョディ・アーチャー、マシュー、ショーカーズ共著の出版業界に一石を投じる書籍となります。
小説好きの知的好奇心を刺激する内容になっています。
あらすじという名の導入、紹介文
……andやdoという単語が、ベストセラーでは
そうでない本にくらべて2倍の頻度で登場する。
一方、veryやpassionの使用頻度は半分程度だ……
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』を
分類してわかったことは、BDSM(性的虐待に
対する嗜好)は確かに刺激的かもしれないが、
それ以外の要素は決して奇異なものではない。
靴や目隠しはカムフラージュであり、句読点や
動詞の使い方にいたるまで、ベストセラーの
何たるかを深いところで理解している作家が
物語を紡いで大成功を収めたケースにほか
ならない……(本書より)
500冊のベストセラーと4500冊の非ベストセラーをテキスト・マイニングの第一人者の作者が情報整理して、特徴を抽出し、機械学習を行い本書の見解に達したようです。結果、AIに対象の書籍がベストセラー作品かどうか判定する結果を80%という水準まで高める事に成功したようです。
・トピックは3つか4つの中心的なテーマが全体の30%を占める本が売れる。
・プロットラインにもモデルがある。感情曲線の相違もあり。
・文体は日常で使われる言葉を理解することが必要不可欠である。
・登場人物の行為主体性(エージェンシー)にはパワーがある。
既存のベストセラーにはこれらの特徴があり、アルゴリズムの結果となります。
最後に
原書で読みたくなる本ですよね、本当に。
アメリカのベストセラーの特徴の一端を知ることができるし、それを今色々な業界で話題のAIという切り口で書かれているので、興味深く読めました。
解説者に西内助教授がいるのですが、日本で同じようなアクションを起こされる場合は、協力しますよという事が書かれているので、日本版ベストセラー・コードに期待ですね。
間違いなくそっちの方が面白く読めるに決まっているので。
小説が好きな方、特に海外作品が好きな方は、知的好奇心も刺激されて、面白く読めるのでお薦めです。英語ができる人は是非、原書で読んでみることも合わせてお薦めさせて頂きます