2018年買ってよかったもの~ぜひ知ってほしい鋳物ホーロー鍋バーミキュラの誕生秘話~
ろぽんでございます。
本日は2018年を振り返って、買ってよかったものの紹介をさせて頂きます。
それは名古屋の町工場「愛知ドビー」が生んだ鋳物ホーロー鍋バーミキュラです。
野菜の水分だけでスープができる「魔法の鍋」です。
野菜本来の味を引き出し、調味料なしでも、信じられないくらい野菜がおいしくなります。
無水カレーを作ってみたのですが、通常、家では食べられないような野菜のおいしさを豊富に感じられる栄養満点な抜群の味でした。
非常に高性能で高精度なバーミキュラの製造秘話も応援したくなるものです。
名古屋市にある町工場「愛知ドビー」は『ドビー機』と呼ばれる機織り用機械のメーカーだったのですが、繊維産業の衰退とともに、船舶部品などの下請け向上に転換しました。
しかし、それも海外メーカーにシェアを奪われ、衰退していききます。
親族経営の先代が苦境に立たされていた時、長男の邦裕、次男の智晴がそれぞれ務めていた企業を退職し、世話になった職人たちを助けたい思いで、実家に戻ります。
兄弟二人三脚の立て直しが始まるのですが、そこはやはり下請けとしての限界。発注元からの再三の値下げ要求に耐えられない状況になっていきました。
偶然立ち寄った本屋で智晴はフランス製ホーロー鍋の紹介記事をみかけます。同じ鋳物なら自分たちも出来るのではないかという、ここが出発点となります。
3年の時間と1万にも及ぶ失敗作から、バーミキュラは誕生します。
鋳物精度の向上と、無水調理に求められる精度狂いの許されない均一な製造は困難を極めましたが、完成した鍋と蓋の隙間は0.01mmの精度で出来上がっており、これが無水調理器としての機能を決定づけています。
通常、インゴットから削りだしてもそこまでの制度設計を求められることはなく、鋳物から始まり、その後、ホーロー加工の試作も困難を極める中、見つけられた製造方法でしょうから、まさに驚愕の鍋です。
一般的な製缶、鋳物、機械加工工場では追い求めようがないレベルです。設備や職人もそこまでの精度を求められていないですからね。なので、調理器具のノウハウもない中から、兄妹経営者の不屈の精神と、自社の従業員を信じて、この鍋が誕生したのは努力と執念の賜物だと思います。
一町工場の下請けから、現在は日本を代表する鋳物ホーロー鍋メーカーへと成長した「愛知トビー」。より簡単な調理器具としてライスポットも有名ですね。現在はアメリカ市場へも参入をはかっているそうです。
こういった企業がたくさん出てくれば、世の中も元気になるし、生活も豊かになりますので、是非、応援したくなる企業です。
興味を少しでも持って頂いたならありがたいです。