【書評】奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき
ろぽんでございます。
TEDでも有名な脳科学者ジル・ボルト・テイラーが脳卒中となり、当時のこと、その後の事を書き写したとても感銘を受ける書籍となっています。
人間の右脳の可能性や、脳科学者として実体験したことを克明に描き出しており、感動の一冊です。
あらすじという名の導入、紹介文
脳科学者である「わたし」脳が壊
れてしまった――。ハーバード大学
で脳神経科学の専門家として活躍し
ていた彼女は37歳のある日、脳卒中
に襲われる。幸い一命は取りとめた
が脳の機能は著しく損傷、言語中枢
や運動感覚にも大きな影響が……。
以後8年に及ぶリハビリを経て復活
を遂げた彼女は科学者として脳に何
を発見し、どんな新たな気づきに到
ったのか。驚異と感動のメモワール。
この書籍を通じて感じる魅力
TEDでは主に脳卒中になった当時の時間を、脳科学者として追体験して、それをユーモアたっぷりに話してくれていました。その胆力と人間力のなせる表現力に聴衆はくぎ付けにになります。左脳の機能が急速に衰える中、右脳が感知する全能感を伝えてくれるのですが、これはなんともいえず、心に残ります。
書籍の中ではより詳細にその時の脳の状況なども記載されています。
その後の胸のつまる8年間の新たな治療期間については詳細には語られませんが、ＧＧ（お母さん）との愛と信頼のある支えがいかに大事だったかという事が本書では語られます。
いついかなる状況になったとしても、我が子の可能性を信じられる母はこうも強く眩しいものかと思いました。題名の奇跡というのは、まず信じるものの元にやってくるのだなと強く理解させられた内容でした。
また、当然ながら8年間かけて忍耐強く、改めてニューロンの結合を新たに促進していく過程の説明は脳科学者ならではで、そういった可能性があるという事を勉強させてもらえるものになっています。
最後に
この本は単純に脳科学の本ではなく、脳科学者の体験記です。
ですから、通常のそういった科学本とは異なり、人の心に残る内容となっています。
下手な自己啓発本を読むなら、間違いなく、この本一冊から得られる学びは大きいと感じています。
脳の可能性、脳の仕組み、ジルの前向きさ、ＧＧの深い愛、平和と自愛。
そのうちのどれか一つからだけでも、この本を読んでよかったと思えるのではないでしょうか。
是非最後に、TEDをご覧になって興味をもたれたら、一冊手に持ってみて下さい。
なかなか出会えない書籍のこと間違いなしです。
