【書評】クマと森のピアノ
ろぽんでございます。
ねこの手さん(id:nahdaan)の記事に惹かれて、クマと森のピアノを読んでみました。
ある日、森のなかで、
こぐまのブラウンは、
へんてこなものを見つけました。
夢をかなえること、
そして
大切な友達とのつながりを
描いた心あたたまる物語。
2016年ウォータ―ストーンズ
児童書賞(絵本部門)受賞
作 デイビット・リッチフィールド
訳 俵 万智
クマのブラウンが森でピアノと出会うところから、物語がはじまり、ピアノへとのめり込み、友達のグレイや他のクマのみんなに演奏を聴かせる毎日。
その後、ブラウンは機会を得て、街にで、ピアニストとして大成します。
でも心に満たされないものを感じるブラウンは森のピアノと友達を恋しく思います。
それからブラウンはというと……。
全部書いてしまうのはもったいないので、是非、手にとってご覧になってみて下さい。
この絵本の魅力はそのやわらかい訳文と魅力的なイラストでしょう。
はじめの見開きでブラウンとピアノの運命的な出会いがあるのですが、その幻想的なイラストは見るものの目を引きつけてやみません。
文章もイラストをいかすように必要な分をやさしく語りかけてきます。
友達のグレイや森のみんなのやさしそうなあたたかさ。
大きなコンサールホールでのブラウンとグランドピアノの姿は夢をかなえた者のまぶしさにあふれています。
だからこそ最後のページのあたたかさに心がじんわりとさせられるんですね。
今回、偶然にも萩原信一郎が短歌をはじめるきっかけとなった俵万智の訳語の作品を読ませて頂くことになりました。結果的にはいい縁を頂き、普段読まない絵本を手に取り、心がいやされました。
ねこの手さんには感謝を。
この絵本を読んでいたら、チルチルミチルや星の王子様のことを思い出しました。
幸せって身近なものなんですよね、きっと。
私たちは残念がら、よくそのことを忘れてしまいます。
仕事や家事や子育てや、いろいろなことで人間疲れてしまうから。
毎日がいっぱいいっぱいで視野が狭くなっているそんな方に特にすすめたい一冊です。
今週のはてなブログのお題「読書の秋」でした。