顔色の悪い太った学生がふーふーいいながら、肩を上下させている。 バスの中で酔ったのだろうか。 それともあまりにも腹の立つ事があって内心を隠せずにいるのだろうか。 ちなみにウチは今どういう顔をしているのだろう。 どっと疲れた顔をしているのか、能…
バスの広告にある文字を追って視線を横にずらしていく。 ブログを更新する身の上で見出しやキャッチーな言葉というのを日々勉強せねばならない。 一巡すると、視界の隅にうつるイケメンの横顔が気になった。 長いまつ毛がふせられ、憂いを含んだように、そっ…
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ラインを未読スルーして、バスの中で、オレはため息をつく。 スマホごしにいるお爺さんには気づかれない程度に。 大学の文化祭で知り合った女子のグループの一人からの連絡だ。 知り合って一週間ほどになるのだが、ひっきりなしに連絡がきてヤバイ。 ことあ…
がたんっと揺れて、隣に立っている吊革に捕まった年配のおじさんの肩に触れないように少し身をよじる。 ゆっくりと流れるように見慣れ始めたバスの風景が過ぎ去っていく。 バスのガラスにうっすらと写るのは冴えない表情をした新調したばかりの高校の制服に…
バスの揺れが手すりから伝わり、よろけないよう少し力を入れる。 あがりづらくなった肩を意識して、視界が少し下にうつり、酒の臭いのする男をみる。 年の割りには、ラフなかっこうをした男でこの時間から酒が飲める仕事としたら、自分のようなサラリーマン…
久しぶりのバスに乗ったわけだが、イライラする。 ベットタウンをちんたらと走るこのスピードにうんざりだ。 丘をぐんぐん降って行くロードバイクに負けるなよといいたい。 俺は早く家につきたいんだ。 さっき軽く缶ビールを一杯飲んだけど、下らないテレビ…
先頭座席に座る息子がふらふらと危なっかしい。 ゆらゆらと揺れるバスの中で、彼が落ちやしないかと注意しなくてはならない。 バスの先頭座席は少し高くなっていて、子どもにとっては窓ガラスも大きくて、見通しがよく、まるでロボットのコクピットの中の様…
よく揺れるバスに揺られながら、朝晩の通勤に日々揺られている。 グルグル視界が回るほどではないけど、多少胃の中はグルグルして、気持ち悪くなって喉がグルグルするので唾を飲み込む。 子どものころから乗り物酔いしやすい性質で、あの頃は車に乗るたびに…