卵かけご飯は日本の味
ボールに水を注ぎ、購入したばかりの赤卵を入れていく。
重く沈んだ新鮮な赤卵をボールから取り出して、暑い殻を割り、つるりとした生卵が出てくる。
卵黄をスプーンですくいとって、別の入れ物に移し変える。
残った卵白はハンドミキサーでかき回し、ぷつぷつと泡出ち始め、白みが目立ちだし、きれいな角のたったメレンゲとなった。
熱い湯気のほとばしるゴハンの上にメレンゲをのせて、更に卵黄をのせてしまう。
ぷるぷると光沢がみえる黄身に、そっとしょうゆをまわしかけ、しゅわしゅわとメレンゲが反応する姿に喉が鳴る。
かるく箸でかきまわして、我慢できずにそのままかきこんでしまう。
メレンゲの泡が優しく舌をなでていき、卵黄の濃さとしょうゆの塩みがなんともいえないうまさをかもしだしている。
そのまま口の中に流し込み、食べ終えるのに一分もかからない。
ただシンプルにお腹を満たしてくれる一品に満足感がある。
学生時代はお金のない時に仕方なく食べていた面もあるが、やはりコスパが高い。
貧乏飯の代表のようでいて、ちょっとした贅沢品としても食べる事が可能だ。
最高品質の卵になると、一個千円を超えてくるらしいので、そこまでいくならどんな味がするか一度食べてみたいものだ。
醤油も卵かけご飯専用のものがあるみたいだし、合わせて試してみてもいいだろう。
トッピングも色々考えられていて、面白い。
海苔に納豆にネギにチーズにキムチなど、多種多様のアクセントをつける事が可能だ。
ただやりすぎると、卵かけご飯そのものの味はなくなってしまいそうなので、基本はシンプルがいいとは思うのだが。
今回、試した卵かけご飯はメレンゲだが、そういった少しおしゃれに感じる食べ方を考案されるほど、日本人に愛着のある食べ物になっている。
海外暮らしが長いと、こういったシンプルなものに故郷を思い出したりするものだろうか。
寿司や天ぷらなんかよりも、日本人にとっては身近なんだと思うのだが。
外国人にはすすめないけど、故郷の人の心には根ざしている。
生活にとても近いところにある食べ物で、日常を感じさせる卵かけご飯、いつもどこかで思い出したように口にしたい。